2020 Netz Cup Vitz Race Grand Finalが12月13日に富士スピードウェイにて行われた。2000年から21年間行われた、日本初のナンバー付き公認レースであるVitz Raceだが、2021年からベース車両がYarisへ変更されることが決定されているので、これが最後のVitz Raceとなった。MSSらいむレーシングが使用しているNCP131型Vitzは来年のYaris Cupへ出場できないため、これが向田らいむ号最後のレースとなった。今回はレギュラードライバーの米川直宏がステアリングを握った。

これが最後のVitz Raceということで、フルグリッド54台を大きく上回る77台がエントリー。全国から猛者が集まり、非常にレベルの高いレースとなった。MSSらいむレーシングは木曜日から走行を開始。今回は特別ルールとして、予選ヒートから新品タイヤ2本の使用が義務付けられていた。Vitzはローパワー車ゆえ、新品タイヤを使用すると逆にタイムが落ちるため、普段は中古タイヤでレースを行っている。この特別ルールに対応すべく、練習走行から新品タイヤを投入したテストを重ね、土曜日最後の練習走行では、まず予備予選落ちはあり得ないだろうという確信を持てるほどの走りを見せた。

予備予選:B組15位で予備予選通過

予備予選は各地方ランキング上位のシード選手を除くドライバーがタイムを競い合い、続く予選・決勝ヒートへの生き残りを図る。CVTクラスはトップ5が予備予選通過となるため、組で16位以上で予備予選通過、A組のタイムを見る限り2分18秒半ばを超えればOKというところ。これは例年のGrand Finalと比べてもハイレベルなボーダーラインとなっていた。ただ土曜日の米川の走りと、この時点でのコンディションを考えれば17秒切りはまず間違いないので、安心してコースに送り出した。

おおよそベストだと思われるポイントでコースインできた米川だったが、ファーストアタックの1コーナーで後方マシンが大きく姿勢を乱し追突寸前、これを避けるために完璧なラップとはならなかった。その後は前方マシンとの間隔を取るために一度ペースを落としポジションを取り直すも、単独での走行を強いられてしまう。直線が長くスリップストリームで大きくタイムが変化する富士スピードウェイではこれは不利。最後のアタックでどうにかコース後半でスリップが使え、タイムを若干更新。2分18秒231が記録され、B組15位でギリギリ予備予選を通過した。

予選:新品タイヤに苦しめられ47位

ここから今回の特別ルールに沿って、全車フロントに新品タイヤを投入してレースが行われた。Vitz Raceのマシンの特性上、新品タイヤでベストタイムが出るのは最初の1周目のみであることが分かっていたので、そこでベストアタックが出来るようタイミングを見計らってコースイン。クリアラップで計測一周目を走れたが、前車のスリップを活用できず、満足の行くタイムが得られない。ドライビング的にもフロント新品の場合は中古タイヤとは違った要素が求められるのだが、米川は焦りからか持ち前のスピードを発揮できずにいた。他車を見てもシード選手ですら後方に沈んでおり、いつもと違う戦い方を強いられるがゆえに順位は大混乱となっていた。その後ポジションを取り直しアタックを続けるが、やはりタイヤの特性からかタイム更新とはならず。決勝に向けてタイヤを作りに行く方に専念すべくアタックを継続させ、2分19秒156で47位となった。

決勝:序盤の混戦を一気に切り抜け38位でフィニッシュ!

16時前の肌寒い時間帯に、最後となる10周の決勝レースがスタートした。スタートから大混戦のレース展開となる中、米川は巧みにラインを選択し順調にポジションを上げていき、1周終了時点で41位までジャンプアップ。2周目のダンロップコーナーで3台一気にパッシングした際、他者から追突されリアバンパーが破損するも、38位まで順位アップを果たした。7周目以降は1台のマシンと抜きつ抜かれつのバトルを展開する。強引にパッシングに掛かる相手を米川がうまくクロスラインを取りながら抜き返す展開が続いたが、相手のマシンの方がストレートスピードに勝るようで、富士スピードウェイではそのわずかな差が大きく出てしまう。9周目の3コーナーでパッシングされたのちは追い抜き返すことが出来ず、39位でゴール。レース後1台ペナルティ車両があったため、向田らいむ号最後のレース結果は38位となった。

日曜日には朝早くから向田らいむの魂を務める齋藤亜里菜さんの他、向田らいむ号最後のレースという情報を聞きつけ多くの言霊少女プロジェクトファンの皆様がサーキットへ応援に駆けつけてくれました。またTwitterなどを通じてさらに多くの応援メッセージを頂きました。皆様のお力によって、最後のレースを無事完走することができました。MSSらいむレーシングへの熱い応援、本当にありがとうございました!

今回で、現時点で予定している全てのレースが終了しました。来年以降の活動についてはまだ決まっておりませんが、応援していただける皆様へ良い報告が出来るように努力してまいります。またサーキットで皆様とお会いできる日を楽しみにしています!

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