2019年11月23~24日、富士スピードウェイにてTOYOTA Vitz RS Racing Netz Cup Vitz Raceグランドファイナルが行われた。今回の参加台数は何と78台。Super GT×DTM特別交流戦の併催レースとして設定されたため、富士の裾野には5万人の観客が押し寄せた。ドライバーの米川直宏は富士スピードウェイを走るのが今回が初めて。設定された走行セッションは数少なかったが、木曜日の練習走行から着実にコースを攻略していった。

土曜日の予備予選からレーススケジュールはスタート。これはシード権を持つ14台を除く64台によって行われるもので、ここを通過しなければ、そののちの公式予選や決勝に進出することができない。2グループ分けにて行われる中、米川はBグループに振り分けられた。

8時17分から12分間の公式予選がスタート。路面は完全なウエットコンディションだ。雨の富士は金曜日に1本経験したのみとなるが、米川は1周目から快調にタイムを刻んでいく。しかし徐々に前方が詰まり始め、アタックが困難な位置取りになってしまう。ここで1周を完全に捨て、前方との間隔を取り直した米川は、ラストアタックに臨む。ここでもわずかに前方に詰まってしまったが、グループ11番手タイムを叩き出し、予備予選通過を確定させた。

土曜日の11時05分から15分間行われる公式予選により、日曜日の決勝のステーティンググリッドが決定される。チームの作戦が功を制し、可能な限り前方でのコースインに成功、周囲の位置取りもよく、ベストアタックが期待された。しかし計測1周目の1コーナーで、後方マシンに右フロント部分を激突されマシンは大破。アタック不能な状況となったため一旦ピットインを行い、チーム員による懸命の復旧作業が行われた。残り10分を切ったタイミングで再コースインしたものの、まともに走行できる状態ではなかった。それでも最後までアタックを続け、51位の順位を得た。

公式予選後に大破したマシンを復旧させるが、特に足回りの損傷が激しく、現地での完璧な修復は不可能だった。それでもチームメカニック、そしてライバルチームの協力により、どうにか決勝を出走できるレベルまでの復旧を行った。

向田らいむのキャラクターソウルを務める斎藤亜里菜さんが応援に駆け付ける中、日曜日の8時より決勝が行われた。ほぼ最後尾からのスタート、そして霧の出る雨天ということで慎重なスタートを切ったが、米川はそこから強烈なオーバーテイクを見せた。しかしクラッシュの影響でマシンは不安定な状況にあり、オーバーランを喫してしまう場面もあった。それでも米川は果敢にアタックを続け、暴れるマシンを制御。他者のミスを有効に生かしながら着実に順位を上げると、16台抜きとなる35位でフィニッシュした。