新型コロナウイルスの影響により3月以来となるレースが、7月12日にツインリンクもてぎにて行われた。今回のNetz Cup Vitz Race関東シリーズ第3戦には40台がエントリー。関東の鍛え上げられたドライバーたちが参戦する、ハイレベルな戦いである。今回もドライバーは米川直宏が務めた。

我々MSSらいむレーシングにとってツインリンクもてぎでの戦いは初となるため、本来であれば事前の練習走行を行う予定を組んでいた。しかし、緊急事態宣言中の渦中では予定していた動きを行うことは難しく、結果として金曜日のセッションが完全な初走行となってしまった。日曜日のレースまでに設けられた走行セッションはわずか3回。ごくわずかな走行機会で出来る限りのテストを行う必要があったのだが…。

金曜日にまさかの横転事故

金曜日は朝からパラパラと小雨が降りつつも、路面はドライという状況。最初のセッションではコースや久しぶりに全開走行を行うマシンのチェックを主に行い、2セッション目から本格的な走行を開始した。初めてのサーキットなりに様々なドライビングテクニックを試しながら走行していたところ、残り5分ほどで急に雨脚が強くなり、路面状況が一気にスリッピーへと変化。ちょうどそのタイミングで最終セクションに差し掛かった向田らいむ号は、スピンしながら最終コーナー外側へコースアウト。深いグラベルに真横から脚を取られ、横転してしまった。

この事故により、ルーフとフロントウィンドウ、右ミラーが破損した他、横転によるエンジンへの影響も考えられた。しかし幸いなことにドライバーは無傷で、エンジンの始動も確認できた。

ルーフ・フロントウィンドウ・ミラーの修復を行えばレースへの参加は可能と判断できたため、土曜日の走行を完全にキャンセルし、日曜日のレースに向け急ピッチでの修復作業を行った。その結果、土曜日の深夜にサーキットに戻ることができた。

予選:車両状態の確認も含め走り、25位

午前10時ちょうどから15分間の予選が行われた。横転事故の影響を調べるため慎重にスタートしていったが、ひとまず問題が無いことが確認できたためにアタックを開始した。コース上は40台が同時に走行していたが、ドライバーの好判断によりトラフィックの少ない場所にてアタックを行うことができた。

路面はドライで、金曜日には体験できなかった高路面温度なコンディション。トップでも通常よりも1秒ほど遅い状況ではあったが、金曜日の自己ベストに近い2分38秒741を記録し、25番手につけた。

決勝:バトルを繰り広げながら22位でゴール

天気予報ではレース中の降雨が心配されたが、スタート直前に小雨が降る程度にとどまり、終始ドライでのレースとなった決勝。現在のコンディションへセッティングを微調整し臨んだ。

好スタートを決めオープニングラップで順位を2つ上げた米川。前方へぐんぐんとおいつき、さらなる追い上げが期待されたが、ここでまさかのミッショントラブルが発生。コーナー立ち上がりで我慢の走りを余儀なくされてしまった。このトラブルにより一時は順位を下げてしまったが、周囲のマシンが徐々にペースダウンしていく中、米川はそれを踏みとどまり、前方へと追い上げをかけた。途中抜きつ抜かれつのバトルを展開しつつ、確実に順位を上げていく。最後まで前方へ追い上げを見せていき、最終的には22位でフィニッシュした。